nezunezu’s diary

ねずみのにっき

君たちはどう生きるか 感想文

 

 

 

 

2023年8月1日。

 

何だか思い出せない夢を観たような感覚のまま

映画館を後にした。

 

手放しに

『やっぱりジブリは面白いな!』と思えず

どう言葉にして飲み込めば良いのか

考えながら夜道を歩いた。

 

一個だけエンドロール、米津玄師さんの曲を聴きながら思ったのは

『これから先、

私が生きていく中でこの映画が

じわじわと効く薬のようになっていくんだろうな』

ということ。

 

誰かを失った悲しみに甘えて

「これぐらいのウソ許されるだろう」と

グレてしまう感覚を

分かるなあなんて思いながらみていた。

 

頭から流れる血の量が思ったより多くてビビった。あんなに血が流れていたら

そりゃあお父さん怒るよね。

 

 

 

これは何の物語というのだろうか。

家族の話、友情の話、冒険譚、戦争の話、国の話、可愛い動物の話、生と死の話、自分の世界の物語。

あまりにも要素が多い。そして一言で表すとするならば多分全部違う。

 

 

眞人の物語。

 

 

言うならば、そうなのだろう。

 

自分は正しくないから積み木を積み上げられないと

誠実に断った眞人の精神性が

凄く好きだった。

 

 

自分の悪さを自覚するって凄く力のいることだから。

 

 

映画に限らず、娯楽として消費される物語の

娯楽足る由縁は

『その物語を通して自分を見る』ところにあると

私は個人的に思っている。

 

悪役をみて「なんて悪い奴なんだ」と感じる事で

自分はこういう悪役に怒れる良い奴だと思えるし

悲しい場面をみて涙を流すことで

自分はこういう場面で涙を流せる良い奴だと思える。

 

逆に、悪役に感情移入して

自分って悪い奴だなと気がついたり

人と違う意見を持っていることを

物語を通して気付き

自分を見つめ直すきっかけになったりする。

 

自分の事を知れるのは楽しい。それこそ娯楽だ。

 

この映画は

そういう物語を通しての気付きが

映画館の中だけでなく

これから私がどう生きるかによって

つみきのように積み上がっていく映画のように感じた。

 

私の人生を通して私の中でこの映画を傑作にしていきたい。